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監督・コーチという概念

2023.11.27

稲城TFEではコーチや監督という概念がありません。

 

少年野球の場合、監督やコーチは大体は選手のお父さんが務める場合が多いと思います。私の息子が以前所属していたチームもそうでしたし、私自身が子供の時に所属していたチームでもそうでした。

 

率直に言って、このシステムはかなり難しいところがあります。うちの息子が所属していたチームでは、監督の息子が優遇され、実力に見合わないクリーンナップに固定されていて、正直保護者の間でもあれはどうなんだという意見がありました。その子が圧倒的な実力で不動のレギュラーならあまり問題はないのでしょうが、このようなケースでは、他の子供達は不公平だと感じるでしょう。

 

このような甘やかしのダメな親はチームを私物化していき、他のコーチも自分の子供を試合に出してもらいたいがために監督にゴマをするという地獄絵図が出来上がります。

 

ただ、このような最悪なケースはそれほど多くありません。ほとんどのまともな親は、甘やかすよりも、逆に自分の子供にとりわけ厳しく当たってしまうことが多いのです。その結果、その子は「なんで自分の父親が監督なばっかりにこんな厳しくされるんだ」というモヤモヤした気持ちを抱くことになります。

 

監督やコーチとその子供の距離感は難しいものがあります。自分の子供を良くも悪くも特別扱いしないということは非常に難しいわけです。そして監督やコーチという偉そうな肩書きがあると保護者の方も変に気を使ってしまいます。子供が何か嫌なことがあっても子供の味方になるのではなく、監督の言うことを聞きなさい!となってしまうことが多いように思います。

 

監督コーチの概念がなくなると自ずと采配やサインというのもなくなります。打順や守備位置は子供達に考えてもらい、試合中にサインは出さない代わりに子供達一人一人に場面に応じた作戦を考えてもらって、自主性を伸ばしてもらいます。

 

先日あった試合では、守備位置や打順を子供達に考えてもらいましたが、なるほどそうきたかと思わされるものがありました。試合中、塁に出たランナーもサインなどなくても自分の判断で走り、点が入った場面では内野安打から盗塁と相手のエラーで一気にホームに帰ってくるという素晴らしいプレーを見せてくれました。

 

野球は常に考えていないといけないスポーツです。自主性を育むということは非常に大切で、大人が邪魔しないようにしないといけないと思っています。

 

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