小泉隆幸総監督に武蔵府中リトルシニアに入団を検討中・あるいは新入生の選手諸君が気になる(ことが多い)ポイントを説明していただきました。
1. 入団前の心構え
練習を見て雰囲気を感じて、自分が納得のいくチーム、「ここで三年間やりたい!」と自分で思ったチームに入ること。自分は何を目標にしているのか、何を学んで卒業したいのか。どのチームならそういったことが達成できるのか。小学生には難しいかもしれないけど、そこまで考えて決めてください。そうすれば、練習が辛くても、遠くから通っていても、たとえレギュラーになれなくても最後まで続けられるはずです。特に目的がないまま入れば、レギュラーを取ることがすべてのように感じてしまい、取れなかった時に挫折してしまうと思います。
2. 硬球への慣れ、故障の予防
未だに「硬式をやると肩や肘を壊す」というイメージがあるようです。投げ方がよくなければ痛めてしまうし、骨がまだできていない成長段階で投げ過ぎれば故障につながります。逆に言えば、正しい投げ方で成長に合った球数さえ守っていれば壊れるものではありません。武蔵府中シニアでは握り方から投げ方、ステップの踏み方など一から教えていくし、投げる数も制限しています。
また、何よりもたくさんボールに触れることが大事です。新入生でもどんどんボールを触り、硬式用バットを振る。マシンが空いていればどんどん打ち、場所があれば何本でもノックを受けます。球拾いや雑用係で1日が終わってしまうことはありません。
3. 新入生の練習
マシン打撃は緩い球、ノックは短い距離で緩い球、キャッチボールの距離も短めから始めます。最初は打っても前に飛ばない、ノックは怖くてちゃんと受けられないという選手も数をこなしていくうちに変わってきます。投げるのも夏場には問題なく塁間が投げられるようになります。8月ごろ、3年生が引退し、リトルリーグから入団してくる選手達が合流して、いざ本格的なスタートです。紅白戦や他チームとのオープン戦を入れていきます。新入生は最初はまずグラウンドに来て、チームの雰囲気に慣れて、3年間続けられる体力をつけるのが目的。 新入生は特に難しい理論で固めてもわからないので、口で言うよりやってみせる指導を特徴としています。コーチも一緒にトレーニングもノックも受けます。
4. 試合への出場
公式戦では真剣に勝利を目指すので、試合に出られる選手は決まってきます。それでも9人で試合をするのではなく、最低でも15人、多ければ18人くらい出すことは心がけています。背番号も大会ごとに替えるので、ベンチに入るチャンスはいくらでもあります。1年生大会やローカル大会では複数チームがエントリーできるし、練習試合も数多くやっているので経験は十分積むことができると思います。もちろんこのチームでレギュラーを取ること、勝つことも大事です。しかし大きな目標は高校、大学などでも大好きな野球を続けていくこと。ここでレギュラーを取れなくても、高校で活躍している選手はたくさんいます。まずは野球を通じて、学ぶ姿勢や人間性を培ってもらえればいいと思っています。