日本でリトルリーグの活動が始まったのは、1955(昭和30)年頃です。東京の近郊でわずか5~6リーグの規模でした。1959(昭和34)年、米国人の飛行士であるMr.Bill Hatchが日本で初めて正式に国際登録された日本のリーグを組織しました。
それから5年後、アジアではじめてのオリンピック大会が東京で開催された記念すべき年、1964(昭和39)年、日本リトルリーグ野球協会が発足しました。この年は、アメリカでリトルリーグが誕生してから25周年にあたるため、国際本部からの呼びかけもあって協会が設立されたわけです。
1970(昭和45)年になるとそれまでリトルリーグをバックアップしてきた三井物産に加え、フジ・サンケイグループも応援することになり、全国的な組織として年々拡大していきました。
その後、さらに発展を期してリトルシニアの組織と合併し、2005(平成17)年5月に文部科学省から「財団法人」の認可がおり、リトルリーグは協会の中のリトルリーグ委員会が運営管理を行っていました。そして、2011(同23)年にはリトルシニアと別れて公益財団法人を目指して一般財団法人日本リトルリーグ野球協会を設立、内閣府に公益認定を申請して2012(同24)年4月1日付で認定されました。
また、リトルリーグの世界選手権で日本は1962(昭和37)年から参加し、67(同42)年に西東京リーグが初めて世界一になるなど注目を集め、その実力と運営が高く評価されて、それまではアジア太平洋大会(旧極東大会)で優勝しなければ出場できなかった世界選手権に2007(平成19)年から全日本選手権の王者が直接、世界大会に出場できることになりました。2017年の東京北砂(東京連盟)を含め、日本はこれまで11回、世界一になっています。
1. リトルリーグとはどういう意味ですか。
3. 年少者の硬球の使用は危険ではありませんか。
野球は、英語でBaseballと言いますが、これは、硬式ボールそのもののことを意味しています。
日本では昔から軟式ボールに親しんできたために、硬球は危険であると思い込んでいる人が多いようです。しかし、日本以外の国々では野球用のボールには硬球しか(現在は軟球も普及してきているよう)使われていませんでした。確かに道路でのキャッチボールや指導者のついていない草野球等に硬球が使用されれば危険かもしれませんが、リトルリーグでは定められた球場または練習場以外でのプレーは禁止されていますし、成人の指導者の下での練習または試合以外は認められていません。
リトルリーグの目的は、危険な野球から子供たちを守るという点にもあるわけです。さらに、リトルリーグではピッチャーの連投の禁止等、非常に厳しいピッチャーの使用制限が規定されていることや、入団する少年少女全てに団体障害保険への加入を義務づけています。
適切な指導者の下での硬球の使用は決して危険なものではありません。
リトルリーグの野球はほとんど軟式と変わりませんが、発育途上の子どもたちの体への配慮や、フェアプレーの精神を尊重するため、一部独特の決まりがあります。
通常の野球ルールとの違いで最も大きいのは、離塁(塁を離れること)の制限です。ふつうの野球の場合、ランナーが塁から離れるのは自由ですが、リトルリーグでは、ピッチャーが投げたボールが打者に届く前や、打者が打つ前に塁を離れてはいけないことになっています。もしこれに違反して早くスタートを切ったりすると、元いた塁に戻されたり、得点が認められなかったりします。
ランナーが塁から離れないのですから、ピッチャーは、ランナーがいてもふりかぶって投げられるし、ランナーをけん制する必要もありません。投げようとしてボールを落とすなど以外は、ほとんどボークもなし、また振り逃げがないのも、リトルリーグの特徴です。また、ピッチャーの肩やひじの負担を考慮して、投球数が年齢に基づいて制限されています。
◆離塁の制限
普通の野球の場合、走者が塁から離れるのは自由ですが、リトルリーグには制限があります。投手が投手板に触れてボールを持ち、捕手がキャッチャースボックスに位置して捕球態勢に入っているときは、塁上の走者は投手の投げたボールが打者に達するまでは、塁を離れてはいけません。これに違反し塁から早く離れて得点しても、その得点はみとめられない場合があります。走者はアウトになりませんが、もとの塁にもどらなくてはならないこともあります。
◆投手への制限
肩やひじの保護のため、投手が1日または1試合に投げられる投球数は制限されています。
年齢 | 1日及び1試合に 投げられる投球数 |
13歳 | 95球 |
12歳及び11歳 | 85球 |
10歳以下 | 75球 |
小学3年生 | 50球 |
1日の投球数 | 休息日 |
66球以上 | 4日間 |
51〜65球 | 3日間 |
36〜50球 | 2日間 |
21〜35球 | 1日間 |
・選手が1日に1~20球の投球をした場合、休息日は必要ありません。
※注意 試合で41球以上の投球をした投手はその日は捕手を務めてはならないなどといった制限もあります。
◆バット
バットは公認の物を使用し、変形やキズのある物は使用できません。非木製バットでUSA印字表記があるものを使用することとなっています。
◆プロテクター・ヘルメット等
胸部保護パッドを着用することとなっています。着用していない選手は試合に出場できません。捕手は、試合及び練習中も公認のヘルメット(耳カバー付)・プロテクター(ロングタイプ又はショート タイプも可)・マスク・スロートガード(のどあて)・およびカップを着用することとなっています。ヘルメットは顎ひも付きの物はきっちり着用し、 打者ヘルメット「フェイスガード付き」および「Cフラップ付き」も許可されています。